非常に希少なヴィンテージテナーサックス、Weltklang “Soloist” シルバーメッキモデル（シリアル番号60472）です。東ドイツ（GDR＝German Democratic Republic）製の上位機種で、現在はすでに製造されていません。GDRは第二次世界大戦後の1949年にソ連占領地域から形成された社会主義国家で、1990年の東西ドイツ統一により消滅しました。そのため、この楽器は単なるサックスではなく、歴史的価値を持つコレクションピースでもあります。

この“Soloist”モデルはWeltklang社の高級ラインにあたり、ドイツらしい非常に堅牢な造りと、豊かで太く力強いサウンドが特徴です。音は非常にワイドで存在感があり、いわゆる“巨大な鳴り”を持つ個性的な楽器です。また、このモデル特有のメカニズム構造は非常に珍しく、キーシステムがブロック単位で取り外し可能という独自設計になっています。これは他のメーカーではほとんど見られない特徴です。

この個体はシルバープレート仕上げで、タンポ（パッド）とコルクはすべて新品に交換済み、機能・外観ともに非常に良好な状態です。Gator製ハードケースが付属します。

日本国内ではこのモデル自体がほとんど出回っておらず、このコンディションの個体はおそらく他に存在しません。そのため、実用的な“演奏用サックス”というよりも、コレクターズアイテム、あるいは歴史的価値を楽しむための1本として扱うことをおすすめします。実際、私はこのサックスを“保存すべき楽器”と考えており、日常的な演奏で消耗させるのは惜しいため、今後はヤマハなどの現行モデルをライブ用に使用する予定です。このような理由から、今回出品することにしました。

試奏動画の撮影・送付も可能ですので、音色や動作確認をご希望の方はお気軽にお知らせください。
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